ソフトウェアサイエンス概論I   [ GB11001 ]
Introduction to Software and Computing Science 1
対象:1学年
第2学期 金2 (3A403) 1単位 担当教員:井田哲雄, 北川高嗣, 櫻井鉄也, 亀山幸義

概要

ソフトウェア科学,人工知能,数理情報とモデリングな どの分野から,まとまった話題を取り上げ,ソフトウェ アサイエンスにおける基本概念と思考方法を習得する.

学習・教育目標

  • ソフトウェアサイエンスの歴史,考え方,学問分 野としての位置付けを理解する.(第1週)
  • コ ンピュータとインターネットを利用した新しいパラダイ ムにおけるメディア情報処理環境について理解する. (第2〜3週)
  • 数理的な手法によるモデリングと 計算方法を理解し,大規模計算が様々な科学において果 たす役割を理解する.(第4〜5週)
  • ソフトウェ アサイエンスにおける偉大なアイデアと目される WWW(World Wide Web)の考え方を理解し,それを支える 要素技術の概要を知る.(第6〜7週)
  • ソフト ウェアやシステム設計の正しさとは何かを理解し,信頼 性を向上させる手法の概要を知る.(第8〜10週)
  • キーワード

    ソフトウェアサイエンス、メディア情報処理、数理モデ リング、計算科学、WWW, 信頼性、ソフトウェア検証.

    Keywords

    Software and Computing Science, Media Information Processing, Mathematical Modeling, Computational Sciences, World-Wide Web, Reliability, Software Verification.

    時間割

    講義内容
    第1週ソフトウェアサイエンスの位置付け (担当: 亀山幸義)
    ソフトウェアサイエンスの歴史,考え方, 学問分野としての位置付けについて解説する.
    第2週統合智と感性智 (担当: 北川高嗣)
    今までの情報科学は, 分析智と論理智を重視してきた. 情報通信技術は,他分野に大きな影響を与え, 技術基盤のみならず,産業基盤, 社会基盤となりつつある.全ての人々が, コミュニケーションの手段として, マスメディアに代わる情報検索・獲得の手段として, コンピュータネットワークを使うようになった. このパラダイムシフトの担い手としての情報科学の側面, メタレベルシステムとKansei(感性)情報処理について 概説する.
    第3週メディアの進化と新しい情報環境の可能性 (担当: 北川高嗣)
    昨今のWEB2.0に総称される Blog,SNS を契機とした CGM (Consumer Generated Media)は, 全く新しい世界の見え方を提供しつつある. 一見漠然としたWEB2.0の実体をグローバル・ イノベーションの観点から整理し, WEB2.0の後に来るもの, 特に携帯端末を機軸としたモバイルネットワークと 自動認識技術を基礎としたユビキタスコンピューティン グが, 創り出しつつある新たな情報環境の有様を概観する.
    第4週数理モデリングとアルゴリズム (担当:櫻井鉄也)
    実世界の多様な現象を記述するためのモデリングと, デジタル処理のための離散化や近似手法について 概説する.また,数理的なアルゴリズムを コンピュータ上で実行するために 便利なプログラム言語や可視化ツール, MathMLやLaTeXによる数理ドキュメントの検索や 記述などについても紹介する.
    第5週計算科学とシミュレーション (担当:櫻井鉄也)
    計算科学は理論科学, 実験科学に次ぐ第3の科学として注目されている. そこではコンピュータを用いた大規模計算が 重要な役割を果たす. バイオインフォマティクス,ナノシミュレーション, 素粒子物理,自動車の振動解析, Webページのランキングなど大規模問題が現れる例を 示し,そこで用いられているアルゴリズムや 計算手法などを紹介する.
    第6週WWW と HTML (担当: 井田哲雄)
    WWW (World-Wide Web) の歴史,考え方, 原理について実例をまじえて解説する.また, WWW ページの記述言語である HTML を例にとり, データ構造とは何かについて解説する.
    第7週JAVAと AJAX (担当: 井田哲雄)
    プログラミング言語として JAVA言語を取り上げ,アプレットを利用した ウェブプログラミング,AJAX について解説する.
    第8週 ソフトウェアの仕様と正しさ (担 当: 亀山幸義)
    ソフトウェアの正しさとは何か を考えた後,ソフトウェアの仕様記述と検証の手法につ いて述べる.キーワード: 要求仕様,仕様記述,正当 性,検証.
    第9週プログラム言語と型システム (担当: 亀山幸義)
    現代のプログラム言語における型システムについて述べ, 型システムを利用したソフトウェアの信頼性向上 について解説する.キーワード: データ型とデータ構造,型検査と型推論, プログラムの静的検査.
    第10週オートマトンとモデル検査(担当: 亀山幸義)
    オートマトンなどの状態遷移系による情報システムのモ デル化と, モデル検査法によるシステム検証の手法について 述べる.キーワード: 有限オートマトン、モデル検 査,状態爆発問題,抽象化,時相論理.

    教材

    教科書は使用しない.一部の講義ノートは WWW を 通して公開する.

    参考書籍

    Great Ideas in Computer Science with JAVA, A. W. Biermann and D. Ramm, MIT Press, 2002.

    予備知識・前提条件

    特になし

    成績評価

    出席,演習,レポート等により総合的に評価する.
    期末試験は行わない.

    教員メールアドレス

    井田:ida のあとに @score.cs.tsukuba.ac.jp
    北川:takashi のあとに @cs.tsukuba.ac.jp
    櫻井:sakurai のあとに @cs.tsukuba.ac.jp
    亀山:kam のあとに @cs.tsukuba.ac.jp

    TF・TA

    TA: 担当者未定

    講義のWebページ

    http://logic.cs.tsukuba.ac.jp/~kam/introduction1/

    オフィスアワー

    担当者ごとに質問の時間をとる。 具体的な時間は各講義の始めに指示する。